町×塾
たくさんの生徒たちが今日もHAN-KOHで学べている背景には、過去から受け継いだ、津和野町の教育に対する想いや、地域の温かい支えがあります。
津和野町の教育
100年以上前から、津和野町は教育を通し、人づくりへ投資を続けてきました。あらゆる産業を支えていく人材を町をあげて養成する「藩校の精神」が、今でもここ津和野町には息づいています。
津和野町の教育は、日本の近代史に大きな影響をもたらしたと言っても過言ではありません。遡ること江戸時代、4万石の小藩であった津和野藩は、大飢饉で財政が圧迫される中で多額の費用を投じて、藩校「養老館」を設立したと言われています。
ここで学んだのが、啓蒙思想家・西周や、文豪・森鴎外といった日本を代表する知識人。彼らは養老館で学んだ後、海外へ渡り、そこで得た知識や経験を糧に、日本の近代化に大きく貢献しました。


HAN-KOHの設立背景
現在津和野町では、少子高齢化や若者の流出という深刻な問題に直面しています。高校卒業後、この町を巣立つ若者が絶えず、その結果、津和野で育つ子どもの数は大きく減少。町で唯一の高校、津和野高校は廃校の危機に直面しました。
そんな状況を打開し、地域に根付く教育の伝統を守るため、津和野町は全国的にもまだ珍しい高校魅力化事業をスタート。その一環として、2014年に町営塾を開設しました。財政状況は決して良いとは言えない中で、町をあげての設立。津和野藩が藩の未来を人材育成に懸けたのと同じように、津和野町は教育で町の未来を切り拓いていくことを選択しました。この町に息づく「藩校の精神」を受け継ぐという思いを込めて、そして、誰もが世界中で活躍できる可能性があることを信じて、「町営英語塾HAN-KOH」と名付けられました。

HAN-KOHの取り組み

HAN-KOHバス
毎日夜遅くまで熱心に勉強をしている生徒たち。中には、遠方から通う生徒もいるため、HAN-KOHでは無料送迎バスを運行しています。
運行時間や区間等、詳しい情報はお気軽にお問い合わせ下さい。

おにぎり時間
HAN-KOHに通う生徒の楽しみの一つ、それは勉強の合間に食べる、温かくておいしいおにぎり。地元の農家さんが毎年獲れたてのお米を提供して下さっています。炊きたてのおいしいお米で作ったおにぎりは、集中力の維持や、息抜きとしても最適。また、田植えや収穫の時期になると、日頃の感謝の気持ちを込めて、生徒とHAN-KOHスタッフ共に農家さんをお手伝い。津和野の名物、SLの形に植えていく田んぼアートも体験できるため、毎年たくさんの生徒が参加する、一大イベントとなっています。